駅に行く道の途中にいた猫が代替わりしている。昔タバコ屋さんだった家の隣りの空き家の塀にはいつも小さな白黒の猫が寝ていた。泥で薄汚れた毛並みを気にするわけでもなく、時折道行く人を気だるそうに眺めていた。久しぶりに黒がいるなと見上げたら顔が鋭くなっている。体つきはほぼ一緒、同族の猫に違いない。それにしても、まったく同じ場所にいるのはなぜだろう。険しい目つきの新顔は人を寄せつけない雰囲気を醸し出し、まるで喧嘩を売られているような気にさせる。