船旅とは


ちょっと遠くへ行ってました。そんな気分が続いている。生来あまのじゃくなのでオリンピックに頬をふくらませてはしゃぐ人たちを冷ややかに見つめてきた。飲み屋のうわさ話で誰某が金だとか銀だとか聞いて「へぇ」と呆気ない反応しかできない。夢中になってテレビにかじりつくこともなく、どんな競技があるか、どこの国で開催されているのかさえ知る由もなかった。今年は錦織くんのテニスをつい見ちゃう。澄み渡る青い空にオレンジと紫色が混ざり、街を見下ろすコルコバードのキリスト像がふわりと浮かび上がる風景は胸に沁みる。四年後のことは考えないようにしよう。