驟雨とは


雨女健在。午后四時、ずしりと重たい袋を下げて古本屋に向かう途中にポツっときた。のろのろ気持ちだけ走る。店まであと数歩のところで雨粒が大きくなった。セーフ。血の気が引いていく。夢を見ているような土砂降り。べたりとまとわりついたシャツが冷たくなった。子どもの駄賃をもらいハンカチを頭に乗せて百mダッシュ。髪をまとめていたのでずぶ濡れでも気にならない。アーケード商店街をゆらゆら歩いていつもの店。雷鳴を聞きながら古本代で酒を飲む。ひどくさみしい。