警報とは


近所の中華屋でビールを注ぐ手が震えた。テレビでは新潟糸魚川火災の映像が映し出されている。友だちの実家は大丈夫だろうか、胸がぞわぞわしてテーブルにビールをこぼした。メールしようかと思ったが、こういう時に周りがわいわい騒いでも迷惑なだけだ。先日もらった大根と葱の畑は市街地ではないよと云いきかせる。戦火に焼かれる町のごとく黒煙に包まれて逃げ場を失った人たちは年の瀬をどう過ごすのだろう。近所の消防署から出動していく消防車のサイレンが頭の中に鳴り響く。一寸先は闇、火の元と戸締まりだけは慎重に。