接待とは


定刻通りあいつは来た。午前九時半、室外機の上でくつろいでる。金のだしまぐろとカリカリをお盆に乗せて差し上げた。隣家のトイレのドアの音に怯える。やっと食べ切った頃にトイレの窓がガラッと開くと、びっくりして行っちゃった。のんびりできなかった。午后一時半、二階から降りてくると窓にあいつの影。指折り数えてまだ四時間しか経ってない。やっぱり心残りだったんだ。次はカツオ味と鯖節添えのカリカリ。今度はゆっくり毛づくろい。あれ?高貴な猫に見えてきた。夕方、図書館で予約した金井美恵子著『スタア誕生』を受け取り、だらだら散歩。道行く人々の顔がひどく異質に思えてのどが渇く。焼き鳥屋さんで老人介護の話。カップ酒三本。