彼岸とは


毎年思うことがある。あと何回桜を見ることができるんだろう。こんなことを強く思うのは桜だけなのはなんだろう。あの散り際の潔さと美しさに命の儚さを重ねるのだろうか。今日は珍しく家人が休みなので近所の公園に花見に出かけた。思ったほど咲いてない。見頃はもう少し先か、花見客もいなくて犬の散歩の人たちが行き交う。一本だけ三分咲きの桜を見つけ、その下のベンチでビールを飲んだ。日向は暖かいが風が冷たくて肌寒い。突き抜けるような青い空をポカンと見上げてこれが最後かもしれないからちゃんと目に焼き付けておこうと思う。どこから逃げてきたのか緑色の大きなインコが高い木の枝の間を飛び回っていた。