桃源とは


久しぶりの月がきれいだ。深夜0時、二階の南向きの窓に小望月。少し離れて木星。すぐそばに土星が見えるらしいが私の目では無理。隣りのアパートが迫っていて、うんと高い位置じゃないと見えない。自分の家から月が眺められるのは希少でうれしくなる。私の部屋は北向きでほとんど月を見ることはない。一階は四方八方を囲まれていてほぼ無理。南の部屋の人がいない時だけのお愉しみ。最近は厭世的に陥りやすく、ともすれば出家でもしようかなどと妄想してばかり。病院に入るのは苦痛でしかない、施設に入るにはまだ少し早すぎる。鞄一つで誰も知らない町をふらりと訪ね、漁港や食堂の洗い場、旅館の住み込みなどに潜り込んでみるのはどうか。