思い出すとは


日々の何気なく小さなことをきちんとすること。ローズマリーとタイム入りの紅茶を飲みながら帽子にゴムを付けたり、パンツのゴムを入れ替えたり、へびいちご酒を瓶に移し替えてラベルを貼ったり、リュックサックの綻びを繕ったりして陽が傾いていくのを実感する。母に橙色のルームシューズと歯磨き用のコップを買い、他に用意するものを考えてみたけれどそれはそんなにはないということは分かっている。考え抜いてやりたいというだけのことだ。29日に実家へ行ったらまず写真を選び出し、猫の絵が描かれた木の箱に入れて持っていこう。記憶を辿る旅はずっと続くのだから。