詩人とは


五月になると必ず思う人がいる。立原道造展に行ったのはいつだったか。30年以上昔の話だ。淡くやさしすぎる建物のパステル画に出会った瞬間を憶えている。それらはふわりと夢の世界の中に浮かんでいた。臨終の際、食べたい物はないかと聞かれ「五月の風をゼリーにして」と云い24歳で亡くなった詩人。なぜかとてつもない強さを感じたのは、わたしがまだ若かったせいだろうか。この人は案外社交的だったらしい。まあいいや。人間ぎらいで生きていこうと、ふと思う。