暁月とは


小さなスーパーの店先で目を疑った。梨がひとつ298円…。たしか幸水とかそんな種類だったが、果物ってそんなに高かったっけ?買う習慣がないので値段を気にすることもなかった。店頭に並んでいるということはお買い得商品のはず。ブルブルした。買っても食べたいと思うのは早生みかんと酸っぱい夏みかん。最期に欲しい物はと訊かれたら二十世紀梨と云うかもしれない。これは郷愁。最期に見たい風景はと訊かれたら満開の桃畑と答えるのと似てる。さて、きびしい季節のはじまりだ。とにかく生き延びること、しなやかにしたたかに。