70年代とは


19℃予報の東京。しかし日の当たらない家はいつまで経ってもうす暗い。それでも二階のベランダは強い日差しでヒートテックの肌着とリサイクルショップで100円だったピンク色で木綿のフィッシャーマンセーターの腕まくりをして丁度よいくらいになった。中学一年の頃、クラスの女の子が私服の時に当時大流行していた白いフィッシャーマンセーターを着ていて、赤いタータンチェックのプリーツスカートとのコーディネートは最先端ファッション。奥手のわたしにはひどく眩しく見えた。未だにこのセーターは気恥ずかしくて苦手だ。夕方、猛烈な風が吹き荒れる中、いつもの店へ眼鏡ストラップを持って出かける。啓蟄の日、東京に春一番が吹いた。